2014年6月30日月曜日

「もう一度メンバーを選べるとしても、 同じメンバーを選ぶ」

本当の顧客は誰か?」という問題がある。

例えば、自分の仕事を例にすると、みなさんが(ごくごくたまに?)使われる図書館サイトの蔵書検索画面。
あの画面及びシステムは、専門のシステム会社が作っているのだが、当システム会社の顧客は、残念ながらみなさん利用者ではなく、図書館の職員になる。

なので、どうしても、実際のエンドユーザではなく、直接の顧客である図書館職員の希望に沿ったシステムになる。
もちろん、図書館職員は、利用者のニーズを的確に把握し、システム会社に利用者が望むようなシステムを提案・依頼するはずだから、本来はどちらが顧客でも、利用者にとっては関係ないはずである。

しかし、実際、使っていただくとお分かりのとおり、図書館のシステムって、本当に……(自戒)

2014年ブラジルW杯。
我が日本代表の、あまりもアレな成績を受け、ザッケローニ監督が早々に退任した。

ザックに関しては、就任当時から個人的に非常に好感をもっていたし、その発言から、その人間性を尊敬もしていた。今回の退任の会見等を聞いて、その思いを強くしたヒトは、おそらく、自分だけではないだろう。

で、そのザックの2010年の就任会見で、日本サッカー協会原博美技術委員長が、その選考基準にとして、「人柄」というのを盛んに強調していた。
よっぽど、某フランス人で懲りたんだろうなと思った反面、しかし、同時に強い違和感も覚えたモノである。

代表監督の選考基準で、人柄って、そんなに優先順位が高いモノだろうか?

そりゃ、いきなり練習中に突然マジギレして、選手に体当たり(!)をかましたり、そうかと思えば、表彰式で選手全員にキス(!)をして回ったりするようなエキセントリックな人物より、不調のセンタバックについて、「もし、世界中のDFから選んでいいと言われても、今の2人を選ぶ」と擁護したり、「私が見た中で、本当のキャプテンは、マルディーニとお前だけだ」と直接本人に伝えるような安定した精神の持ち主がよいコトは言うまでもないだろう。

しかし、代表監督の最も重要なミッションは、選手や協会の人間と、良好な関係を築くコトではなく、チームを強くし、本番の大会で結果を出すコトのはずである。

もちろん、その手段として、普段から周りの人間と円滑なコミュニケーションを取れるにこしたコトはないし、そういう意味では、常に一緒に仕事をするひと達にとっては、代表監督は、人柄が重要な要素になるだろう。

そして、ザックはその条件にピッタリの人物だった。
しかし、代表監督の、本当の顧客は、誰だろう?
そして、それを考えた場合、第一の条件は人柄になるだろうか?

今回の惨敗の原因は、いろいろあるだろう。
そもそも、選手だけでなく、我々サポータ全体が、日本代表の実力を過信していたという面は強いと思う(セルジオを除く)。
また、一部で言われているように、コンディションの調整に失敗したというのも事実かもしれない(ただ、いくらなんでも、「熱いフロに入っておけ!」というジーコ監督時代の熱さ対策よりはマシだったのではないかと思うが)。

しかし、たとえそうだったとしても、やはり、本番の試合において、出場する選手の選択や採用する戦術、または途中の選手交代で、もう少しどうにかなったのではないかと思わずにはいられない。

代表監督の本当の顧客は、我々、サポータのはずである(一銭も出してないけど)。
そうだとするならば、実際に接する人たちには申し訳ないが、新しい監督には、多少、人間的にはアレでも、というか、人柄なんてどうでもいいから(言い過ぎ)、チームを強くし、本番のW杯でチームを上位に導いてくれるようなヒトがよい。

で、冒頭の発言。

ご存知のとおり、ザック体制の最終ミーティングでのひと言らしいが、その、全く言い訳をしないメンタリティは本当に素晴らしいと思う反面、同じメンバを選べば、同じ結果になるんじゃないかと思うのだが……

まぁ、結局、どんなに優秀な監督でも、選手の代わりにピッチに立つことはできない訳である。
まずは監督、そして、選手選考を一から見直し、4年後は、喜びを爆発させたいモノである(出場できればのハナシだけど)。

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