座標 66巻5号
特に重要だと思うのが、この段。
公共図書館の現場では,民間事業者が作成するMARCデータをOPACに取り込むことで,新規受入図書の書誌データを一から作成したり分類記号を付与することはほとんどない(地域資料を除く)。また,分類記号を自館の実情や方針に合わせて付け替えることはあるが,その他の書誌データの手直しはほぼ行われない。つまり,公共図書館で目録法や分類法の専門的な知識・技術を必要とするのはごく一部の専任職員であり,それ以外はMARCデータの作成などを請け負う民間事業者のスタッフに要求されるスキルとなっているのが実情ではないか。
目録がやりたくて公共図書館人になった自分としては寂しいばかりなのですが、「現在、日本で最も目録スキルがあるのは、TRCのデータ部ではないか」というのは、あながち、冗談とは言い切れません。
内部向けの文章に書いたコトがあるのですが、一度、継承が途切れた技術を復活させるのは、非常に困難か、もしくは、大抵の場合、不可能です。
そういった意味で、ウチの係では、郷土資料外の資料についてもオリジナルMARCを作成していますし、購入したMARCも全てチェックした上(そして、実際、間違いを見つけて連絡している)、許可をとって、わりと自由に(笑)追加・修正もしています(なので、単純に更新データが適用できないという弊害はある)。
それでも、人事を見る限り、残念ながら、今後、そういったスキルを後進に伝えていこうという風には思えませんし、おそらく、次は組織的に"効率化"されるような気がします。
もちろん、すべては、図書館における目録の重要性を、図書館畑ではないヒト達に伝えられなかった自分の責任ではあるのですが、ただ、気のせいかもしれませんが、図書館畑のヒトにも、あまり共有されていないような気がします。
自分なんかより、よっぽど事情に精通している専門家からこのような意見が出てくるということは、ホントにそうなのかもしれません(もちろん、そうならそうで、方法を考えますが)。
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