2016年3月17日木曜日

「司書の書誌」第15回 司書の仕掛け

最近、新しい図書館の機能として、「コラーニングスペース」(共同で学習・研究ができるような場所)のようなモノが言われたりします。

実際、我が館でも検討されていますし、個人的には、自分が使う図書館にこんなスペースがあったらと、ワクワクします。

一方で、公共図書館は「税金」で運営されている以上、基本的に、納税者の求めるサービスを提供しなければなりません。

そうだとした場合、一般的に図書館に求められているモノはなんだろう?と考えると、それは、決して、そんな先進的な空間ばかりではなく、ベストセラー(の複本)と自習スペース、それから、フィルタリングのかかっていないインターネット端末あたりではないかと思うのです。

個人的に、いつもここで考えてしまいます。

求められていないモノを押しつけるのもどうかと思いますし、「良書」という概念を否定(?)する先生の元で図書館学を学んだコトもあり、どうも「図書館が導くんだ」という考え方にもなれません。

しかし、図書館の運営を任されている以上、「知的生産のインキュベータ」となるべく制度や施設を設計し、一般のヒトが「図書館」といった枠組みの中で想像できない、しかし、実際には知的生産にとって非常に有益なサービスを提供する義務もあると思うのです。

それにはまず、なによりも職員(スタッフ)が、本当に心から楽しんで、喜んで、ワクワクしながら、できれば自分たちの施設を使って知的生産にとりくんでいなければ、利用者に対して全く説得力がないし、魅力的にも映らないと思うのですが……

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