2016年7月7日木曜日

「司書の書誌」第31回 司書の整頓

図書館業務の中でも、特に地味なので気づかれにくいのに、それに反比例するかのように重要な作業として、本を、本来あるべき場所に戻す「返本作業」「配列点検」、また、「書架整理(整頓)等とも呼ばれる作業があります。

大抵、本の背表紙に貼られている「請求記号ラベル」の中にある、(図書館によっては)非常に細かい数字記号を確認しつつ、事前に決められた配列規則にのっとり、間違いのないように本を順番どおりに戻したり、並べ直していくのは、非常に根気集中力が必要な作業です。

しかし、これを怠り、本来とは少しでも違った場所に本があるだけで、とたんに本が見つけにくくなりますし、いわんや、全く別の書架に本が行ってしまうと、極端に言えば、館内にあっても、2度とその本が見つからなくなる可能性もあります(実際には、そのためにも、大抵、年に1回行われる「蔵書点検」の際に徹底的に探すのですが)。

特に、利用者が直接アクセスできる開架の書架は、利用が多いがゆえに、本来、あるべき場所に本がなくてはならないのに、同じく、利用の多さゆえ、(意図的でなくても)利用者が本来の場所ではないトコロに本を戻すことも多く、常にメンテナンスが必要というコトになります。

で、この「書架整理」ですが、作業自体は単純なモノの、正確にやろうと思うと、非常に労力がかかります。
こういう作業こそ、どうにか機械化できないかと考えるのが人間の常ですが(笑)、先日、こんな記事がありました。

図書館の書棚管理から司書を解放するロボット--夜間に自律走行して本棚をチェック - CNET Japan

確かに、便利なのかもしれませんが、記事を読む限り、さすがに、間違っていた時に、正しい位置にロボットが本を直してくれる訳ではなさそうです(笑)。

前から、どうにかして書架整理の労力を減らせるいいアイディアがないかと考えているのですが、おぼろげながら、正解は、もっとアナログで、ほっておいても、自然と直っていく手法のような気がしています。

どこかに書いたのですが、たとえば、ジャンプコミック『ドラゴンボール』って、つい、順番どおりに並べたくなりますよね?(笑)
あんなイメージ。

ただ、図書館の本は、後から列の間に新しい本が入ったり、貸出等でしょっちゅう抜けたりしますよね。

う〜む……(苦悩)

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