2016年7月14日木曜日

「司書の書誌」第32回 司書の物量

今年度から新しい部署になり、毎日、市町村の図書館等に本を持って行ったり、それぞれの図書館間の本のやりとりを中継したり、また、市町村支援用の蔵書を一括で大量に貸し出す担当になりました。

で、その部署になり、つくづく感じるのは、日々の本の運搬ももちろん、一括貸出の際は、何百冊、時には、千冊単位の本をクルマに乗せるので、まぁ、とにかく……本が重いのです(笑)。

さらに、こちらに借りに来られる市町村からの職員さん達は、基本的に女性が多いのですが、ボクが持ってもなかなか持ち上がらないようなダンボール詰めの本を持って帰り、今度は、自分の図書館でも同じだけの本を運ばなくてはならないので、本当に大変だと思います。

個人でも、本を持ちすぎて、家の床が抜けたとか、場合によっては、家が倒壊したなんてハナシも実しやかに囁かれたりしますが(汗)、そんなハナシが真に迫る程、本は実に重たい。
個人で本を読んでいる時には、程よい重さに感じられますが、これがいったん、ダンボール単位になると、途端に凶器になります(笑)。

音楽映像の場合、コンテンツ再生機分離が早くから行われていましたが(カセットCD等)、本の場合、いわばコンテンツごとに、そのコンテンツに応じた、そのコンテンツのためだけの再生機がついている状態なので、そりゃ、重たくもなります。
最近、漸く電子書籍が普及し始めましたが、本来、音楽や映像なんかに比べて格段にデータ量が少ない文字の方の分離がこれほどまでに遅れたのは、まぁ、それなりの理由があるのだとは思いますが……

先日、同じ課の方とお話していると、本が売れない理由のひとつとして、やはり、本は場所をとるからで、たとえば、本屋さんに読み終わった本を持って行き、それを(場合によっては安価な有償で)引き取ってもらえれば、その場で、新しい本も買いやすいのにとおっしゃっていました。

最近、断捨離ミニマリストの流れで、とにかく、モノを持ちたくない、家にモノを置きたくないという方が増えていると思います。

つまり、そんなマインドが、本の購入を躊躇させているのではないかというハナシ。
もちろん、新古書店等に持っていけばいいわけですが、そこからまた、新刊書店に行くのは面倒くさいというのもありますし、確かに、ひとつのアイディアかもしれません。

少し前までや、場合によってはの象徴ですらあったかもしれない物理的な本ですが、そこにこそ価値を見いだし、それゆえに本を愛する方が多いのも事実ではあるモノの、ここでも何度か取り上げている、図書館の書庫スーペスの問題等も含め、少し、これまでとは違う段階にきているのかなと思ったりします。

図書館の種類にもよるとは思いますが、「コンテンツさえ、ちゃんと読めればよい」という利用者の方が圧倒的に多いと思いますし、そうであるなら、それに応じたコンテンツの提供方法もあると思うのですが……

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