「芸能界のご意見番」ならぬ、「サッカー界のご意見番」(日本限定?)であるオシムの、アルゼンチンVSオランダの準決勝を評したひと言。
「さすがにオシム。おもしろいコトを言うなぁ」
と思う反面、もし、そんなコトを言うなら、W杯自体、毎回、2年も3年もかけて予選なんかしなくても、最初からブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、ドイツ、イタリア、フランス、オランダの「神7」だけでやったらええやん、というハナシになってしまう(まぁ、少なくとも、他の多くの国からしたら、4カ国も出場して一勝もできない地域は、ホントにいらないだろうが)。
それにしても、サッカーのように、偶然や審判のサジ加減ひとつで大きく勝敗が変わる競技において、結局、毎回、「ユージュアル・サスペクツ」(いつものヤツら)が残るというのには、やはり、それなりの理由があるのだろう。
多分、彼らは、「自分にはできる」と思っているのだ。
以前、オリンピックで金メダルをとる選手というのは、他の選手と違って、自分が金メダルを取るコトを、全くこれっぽっちも疑っていないというハナシを聞いたコトがある。
「金メダルがとりたい」とか、「金メダルがとれなかったら、どうしよう……」とかいう発想はハナからなく、競技が始まる前から、
「えっと、自分は金メダルをとるんやけど、なにか?」
という感じらしい(しかも、マジ)。
そうやって聞くと、ちょっと痛い感じにも聞こえるが、しかし、結局は、そういうコトなのだと思う。
まだ、若干、実績が少ないため、上記の「神7」には含めなかったが、スペインなんか、前回大会までは、本当に毎回毎回……優勝候補に上げられながら、それこそ毎回毎回……「無敵艦隊、沈没」と書かれていた(どうも、その頃のスペインのイメージは、ラウールと重なってしまう)。
それほどのポテンシャルがありながら、どうしても上にいけなかったスペインだが、2008年のユーロで優勝したコトで、
「あぁ、オレ達も勝ってもいいんや」
と心から思えたことが、前回大会の優勝につながったのだと思う。
ことあるごとに「なるほどなぁ」と思うフレーズがある。
それは、
「あなた以外に、あなたにそれができないと言ったヒトはいない」
というモノ。
そうなのだ。
自分に”許可”を出していないのは、結局、自分だけなのだ。
2002年と前回大会でベスト16に残った日本だが、2回とも、見事に同じトコロで敗退してしまった。
よく、「そこで満足してしまった」という言われ方をしたが、多分、満足したというよりは、心のどこかで、
「オレみたいなモンが、ベスト8なんておこがましい」
と思っていたのではないだろうか(サポータも含めて)。
人間は、何らかの行動を起こすコトによって、今よりよい環境になるかもしれないコトが分かっていても、それでも、今より悪くなるかもしれないリスクを負うくらいなら、少なくとも、現状維持をしようとするらしい(ホメオスタシス(恒常性)とか言ったりする)。
ホメオスタシスは、もしかしたら、本能よりも奥深い生命維持の基本であるため、なかなか意識していてもそれを覆すコトは難しい。しかし、なんらかの理由で、それを破らない限り、新しい環境や次の段階には行けない。
そんな慣性、いや、惰性を、選手だけでなく、日本のサポータ全員が打ち破った時が、本当に日本代表が躍進する時なのだろう。
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