2014年7月14日月曜日

「彼は木星から来ている」

プロのサッカー選手になれるなんて、少し考えただけでも、とんでもなく狭い門をくぐり抜けてきたヒト達だというコトが分かる。

そんな選ばれし者達の中から、さらに、1国の代表チームに呼ばれ、最終的に23人の枠に入るなんて、一体、どんなヒト達なのか、全く想像すらできない。

そして、そんな本当に奇跡のような条件をクリアしたヒト達が32カ国分だけ、つまり、世界中から736人しか出場する権利を与えられない大会がW杯である。
しかし、そんなこの惑星を代表するサッカー野郎ばかりが集まった中にあって、さらに、全く別次元のプレーをする選手達がいる。

ネイマールしかり、ロッベンファンペルシしかり、コロンビアのロドリゲスしかり、そして、メッシしかり……

冒頭の発言は、今大会でアルゼンチンと対戦したナイジェリアケシ監督が、メッシを評して言ったコトバ。
実際には、木星という例えが適切なのかどうか、もうひとつよく分からないが、とにかく、他の選手達とは明らかにプレーのレベルが違うというコトだろう。

それにしても、W杯で試合に出ている選手達なんて、1日中年中無休でサッカーのコトばかり考え、我々には想像もできないような努力をし、これ以上ないほど自分を高めているヒト達ばかりのはずである。

それなのに、あぁ、それなのに、そんな自分達ですら、絶対にできないような、さらに上のプレーを目の前で見せられるなんて、一体、どんな気持ちなんだろう。

おそらく、悔しくて悔しくて、しょうがないだろう。
もしくは、自分が情けなくなるかもしれないし、何かを恨みたくなるのかもしれない。

もちろん、理論的には、

「そういう君には、メッシにはない別の能力がある。君は、そこを伸ばせばいいんだ」

というハナシなのだとは思う。

しかし、欲しいのは、そんな教科書的な慰めではない。
自分が欲しいのは、あの、メッシのプレーなのだ。

そして、実際には、そんなスター選手になればなるほど、CMで、ヒゲを剃りながらレベルの低いダジャレを言わされたり、はたまた、自分の彼女と一緒に全裸(ムスメ的表現では、"はだかんぼ")でファッション雑誌の表紙を飾ったりしないといけないので、サッカー以外のコトでも多忙になるだろうし、自ずと、練習時間も限られるだろう。

それなのに……である。

才能、と言ってしまえばそれまでだが、他の普通の(?)選手達からすれば、どうにも遣り切れないのではないだろうか。

まぁ、それでもまだ、スポーツなら、それまでにも十分に努力していても、さらに、(効果があるかは別にして)トレーニングの量を増やすコトは可能だと思う。
もっとシュート練習を増やそうとか、これまで以上に走り込もうとか、なにかしら、具体的なトレーニング方法が見つかるような気がする。

しかし、たとえば、現在、明らかに乱立気味のお笑い芸人等の場合は、どうなのだろう?

おそらく、お笑いの世界でも、悔しいけど自分よりおもろいと認めるヤツがいて、そいつよりおもろくなりたい(端的に言うと、「売れたい」)という気持ちが、誰しも強くあるはずである。

そのためには、もちろん、みんな努力を惜しまないだろうが、こういった分野の場合、スポーツ等と違って、素人でも想像できそうなベタな"努力"が分からない。

おそらく、「ネタを考える」というのがそうなのだろうが、なんとなく、お笑いの場合、そうやって、考えて考えてよいモノができるというよりは、もっと瞬間に浮かんでくるひらめきやアイディアのような気がする。

そういった、ある意味、不安定であやふやな世界の場合、どうやって目標を決めて、努力をしていくのだろう?

まぁ、ともかく、今回もW杯が終了した。

いつもの理由で、残念ながら、ほとんどの試合を見るコトができず、決勝で、今大会で初めてメッシを見たのだが、やはり、メディアを通じて聞いていたとおり、全く別次元のプレーをしていた。

現代サッカーにおいて、思わず、往年のラモスですらもうちょっと動いたぞと思う程の動かなさ。

試合も、結局、いつもの理由で、唯一点の入った延長後半だけ見られなかったのだが、終わって確認すると、そんなメッシが大会MVP

う〜む……
木星仕様。

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