同じ「本」を使う行為なので、つい、一緒にしてしまいがちですが、いわゆる「読書」と、「調べモノ」で本を読むコトは、全く質の違う営みだと思います。
「読書」、たとえば、小説等の1冊の本を、本の冒頭からシーケンシャルに読んでいく行為については、図書館の場合、本自体を貸し出すコトも可能だし、快適な読書空間や雰囲気が必要といったハナシになってくると思います。
一方、典型的には辞典や地図等を使う「調べ物」については、本の中で必要な箇所はランダムに出てくるし、そもそも、1冊のウチで必要な部分は、ほんの少しです(場合によっては、1行、もしくは、1節のために大きな本1冊が必要な時もあります)。
そのため、非常に場所をとりますし、到底、必要な本を全て1度に貸し出すコトはできません(調べ物の質や規模によりますが)。
さらに、「快適な空間」というよりは、とにかく広い場所、筆記用具としてのPCや、それを補完するためのインターネット環境等の実用的な要素が必須になります。
同様に考えると、都道府県立図書館の場合、「読書」については、本を運搬するクルマ(連絡協力車)を運行し、サービス自体をエリア内の広い範囲に届けるコトができます。
一方の「調べ物」については、その際に必要な本を全て持ち出す訳にはいきませんし、調べ物の種類によっては、スピードの面からも、その方法では、利用者は不十分で満足できないかもしれません。
どうも、図書館(というか、公共セクタかもしれません)は、全てを一つの方法、ひとつのルールで運用しようとし、なかなかウマく進まないというコトが、この件に限らず、割とあちこちにあるように思います。
たとえば、「個人の貸出冊数」にしても、上記のように、読書目的と調べ物目的では、おのずと、その必要な枠が違ってくるように思います。
もちろん、それをどうやって見分けるのかとか、貸出の際にいちいち判断できないという問題はありますが、「似て非なるモノ」を、もう少しちゃんと区別して考えてみる必要もあるんじゃないかなと思っています。
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