2016年2月18日木曜日

「司書の書誌」第11回 司書の浄書

今週から、我が館の蔵書点検(蔵点)が始まりました。

かなり長期の休館になるので、利用者の方からは、いつも、

「職員で旅行にでも行ってるんちゃうか」

と言われたりしますが(笑)、もちろん、そんなコトはなく、館内にあるべき本が、全てデータのとおりあるのかを、書庫も含めて1冊ずつ点検しています。

具体的には、本に貼布してあるバーコードを、手のひらに入るくらいの機械(バーコードスキャナ)で、1冊ずつ読み込んでいきます。
機械はどんどん小型で高性能になっていくため、スキャン自体は早くなっていきますが、それでも、図書館には何十万冊の本がありますので(汗)、職員総出で作業をしても、全ての本のバーコードを読みきるには、やはり、それなりの時間が必要になります。

蔵点のコトを「曝書」(ばくしょ)というコトもありますが、曝書とは、そもそもは、本を外に出して広げ、虫干しするコトです。
昔は、カード目録と現物の本を突き合わせ、同時に、虫干しもしていたのですが、今は、そこまではしていません(空調の進化等が、その背景にあると思います)。

また、蔵書点検自体、ITの発達で、わざわざ1冊ずつバーコードをスキャンしなくても、少し離れたトコロから機械をかざすだけで本のデータが読めるICタグができたり、開館中でもエリアを分けて作業をしたり、さらには、閉館してからの夜中のうちにスキャンを請け負う業者が出てきたりと、全体的にどんどん期間縮小の方向にあります。
それだけ、図書館へのニーズが高まっているのだと思います。

そんな中、今年の我が館の蔵点期間は確かに長いと思われると思いますが、それは、今年は蔵点と同時に、5年に一度のシステム更新(リプレイス)も一緒に行っているコトもあります。

これは、館内のコンピュータその他の機器を全て入れ替え、同時に、館内及び館外で使っていただいている我が館のシステム(ソフト)も新しいモノにする作業です。

基本的に、コンピュータ関係は、新しいモノ程早くて便利になっているはずですが、それでも、慣れて快適にお使いいただくまでには、利用者のみなさんにご迷惑をおかけしてしまいます(このあたりも)。
我々は、できる限りその違和感が緩和できるような方法を考えていかなければなりません。

とにかく、図書館にとって蔵点やリプレイスは、年末年始や年度替わりに比べても、大きな心機一転です。

再開館したあと、利用者のみなさんに、

「長いコト休みやったけど、新しくなってよかったなぁ」

と言われますように。
(ただ、職員は、到底旅行に行っていたとは思われない、疲れた顔をしていると思いますが(笑))

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