連載も、前回で5回になりましたので、このあたりで、ちょっと休憩を。
目録を作るヒトのコトを、「目録」(Catalog)のヒトで「カタロガ」(Catalogger)といいます。
しかし、これが日本語となると、「目録家」「目録屋」「目録人」「目録師」……、くだけた文章ならともかく、いずれも正式には聞いたコトがありません。
��ちなみに、「レファレンサ」(Referencer)もそうですね。こちらは、「レファレンス」の邦訳自体が難しい)
ただ、名称はともかく、カタロガといえば、ボクの中では完全に職人のイメージがあります。
頻繁な異動が通例である公務員の中で、図書館員はかなり例外的に異動が少ない場所ですが、その中でも、かつて目録部門は、特にベテランが多く、いかにも「専門職」といった雰囲気でした。
実際、今と違って、コンピュータやインターネットがない時期に、小さいカードにいかに1冊の本の情報を分かりやすく的確に表現するかというのは、かなりのセンスと、技術や経験が必要だったと思います。
そして、今よりずっと出版点数も少なかったので、それぞれの本に、今以上にじっくり取り組めたようにも思います。
ボクが今の職場に入った時は、ギリギリでそういった方達がいた時代で、退職間際のベテランカタロガの方が、喫煙場で(当時は、ボクもタバコを吸っていました)、
「何十年、この仕事をしてるけど、いまだに満足がいくカタログをとれたコトは一度もない」
とおっしゃっているのなんかを聞き、
「カッコい〜!」
と思っていました(笑)。
また、当時はカードを書くだけでなく、それを配列したり、求めているカードを素早く見つけるワザも必要だったので、今はどちらかというと、閲覧部分が図書館の花型だと思いますが、当時は、カタロガこそが、図書館の中心的存在でした(あくまでも、個人的印象)。
そんな雰囲気にあこがれて、司書というよりは、カタロガになりたくて、図書館を希望した訳ですが、なかなか希望どおりにはいかず、そうこうしているウチに、ボクのあこがれたカタロガの先輩たちもどんどんいなくなってしまいました。
で、漸く希望するカタロガになってからも、ITの進展を中心に、目録にまつわる環境がかなり変わっていき、今は、かつてに比べ、カタロガや、もしかして、目録自体に対する図書館内部での認識もかなり低下しつつあるように思います。
ヒトには向き不向きがありますし、それぞれが持てるチカラを存分に発揮して図書館を盛り上げていけばいい訳ですが、それにしても、身近な館内でも、あまりに目録に興味があるスタッフが少な過ぎるので(笑)、こんな連載をしている次第。
なので、もう少し続けたいと思います。
��まぁ、読んでいないのですが(笑))
【つづく】
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