2015年12月3日木曜日

「司書の書誌」第1回 司書とショシ

今回から、図書館にまつわるエッセイを、「司書の書誌」と題して、定期的に連載( ← かつて、いくどとなく挫折)したいと思います。
図書館業界以外の方に、少しでも図書館のコトに興味をもってもらったり、理解してもらえたらウレシいです。

そして、いずれは、それをまとめて電子書籍に……(笑)

さて、早速ですが、「図書館で働いています」と言うと、かなりの高頻度で、

「じゃぁ、ショシさん?

と言われます。

しかも、割りとドヤ顔で。

そこまで自信満々で言われると、なぜか申し訳なくて、「まぁ、ショシっていうか、シショなんですけど……」と、遠慮がちな訂正に終止しますが、改めて申し上げておくと、図書館の場合は「ショシ」ではなくて「司書(シショ)です。

まぁ、一般的には「司書」よりも「行政書士」なんかの方がずっとメジャだと思うので、ある意味仕方がないとは思いますが、それでも、これだけ頻繁だと、やっぱり寂しい……

しかし、ややこしいのは、正しく「司書」と覚えていただいても、図書館に勤めている人間が全員司書かというと、必ずしもそうでもないというコトです。

図書館も、地方自治体の一機関なので、行政の全く違う部署から配属されるヒトも多く、そういう方達は、図書館(職)ではあっても、司書ではありません。

ただ、そういう方達の中でも、図書館に配属後、個人的に司書資格を取られる方も多いので、こういう方々は職名はともかく、資格的には「司書」ですし、一方、ボクを含め、最初から「司書職」として採用される人間もいます。

つまり、みなさんは、図書館のカウンタ等で接する職員は十把一絡げに「図書館にいるから司書さん」と思われているかもしれませんが、その中には、いろんなレイヤの職員がいるというコトです。

一方、国会図書館の場合は、司書資格がなくても、職名が「司書」だったりするのですが、まぁ、それはごく例外として。

あと、「市町村立図書館」「都道府県立図書館」の違いというのも、なかなか分かってもらえません。

利用者からすれば、普段、自分が図書館を使う段において、最も(そして、唯一)大事なのは、自分が読みたい本があるかどうかであって、市町村立図書館をバックアップするとか、「棲み分け」とか、さらには「ミドルウェア」なんていっても、全く無関係なのです。

そんなコトよりも、「なんでベストセラが置いていないんだ!」と(笑)。

とにかく、この業界のコトがよく分かってもらっていないために、日々、カウンタを中心に、いらぬ誤解や不幸が起きます。
ただ、それは、利用者ではなく、こちら(図書館)側の努力不足が原因です。
あきらめるコトなく、みなさんに図書館のコトを知っていただく努力をしなくてはいけません。

とは言え、未だに昔からの友人に会うたびに、「shimanyって、市立図書館やったっけ?」と聞かれるのは、やっぱりイラっとしますが(笑)。

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