2015年12月31日木曜日

「司書の書誌」特別編 司書の支持 2015

図書館に勤めているというと、「オススメの本はありますか?」と聞かれるコトがあります。

仕事上であるテーマの本を案内するのと違い、個人的な意見を聞かれると、ボクはそのヒトの趣味をほとんど知らないですし、根本的に、ヒトに何かを勧めたい欲がゼロなので、いつも答えに困ってしまいます。

なので、今回も全くオススメしたい訳ではなく、なんとなく、メディアマーカーで今年読んだ本を振り返ってみて、面白かった、影響を受けた本を集めたら、ちょうど10冊になったので、紹介してみる次第です(なので、数字は順位ではなく、単なる時系列です)。

なお、非常に多くの本を読んだ中からの厳選して選んだ本ではないので、ご注意を。
(もしかしたら、今年はこの10冊しか読んでいないというトリックかもしれません(笑))

1 『知的資本論 すべての企業がデザイナー集団になる未来』
知的資本論 すべての企業がデザイナー集団になる未来 | 増田宗昭 | 本 | Amazon.co.jp

先日、プロフェッショナルにも登場したCCC増田宗昭さん

図書館業界の中には、増田さんを巨大資本をバックに図書館を食い物にしようとしている悪の権化と思っているヒトもいるかもしれませんが(いない?)、ただ、そう思っているだけだと、ちょっともったいないかなと思います。

まずは、敵を知ることです(敵じゃない?)。

同じ増田さんの、

Amazon.co.jp: TSUTAYAの謎: 川島 蓉子: 本

は、対談形式になっているので、さらに読みやすいかもしれません。

自分には全くない、「未来を見る(見ようとする)」視点の大切さを実感。

2 『ソース~あなたの人生の源は、ワクワクすことにある。』
ソース~あなたの人生の源は、ワクワクすことにある。 | マイク・マクマナス, ヒューイ陽子 | 本 | Amazon.co.jp

今年のドアタマにこの本を読んだコトで、今年1年は、非常によい年になりました。

「好きなコトをやれ」という本は多くありますが、それを「全て同時にやれ!」と説く本は、あまりないかもしれません。

どうしても時間の制約があるので、これまで、なるべく絞って、本当に好きなコトだけに集中・制限しようという方向ばかり考えていまいしたが、「あ、全部やっていいんだ」と教えてもらった一冊。

おかげで、サッカーラーメンに、自信をもって復帰しました(笑)。

3 『題解決ラボ――「あったらいいな」をかたちにする「ひらめき」の技術』
問題解決ラボ――「あったらいいな」をかたちにする「ひらめき」の技術 | 佐藤 オオキ | 本 | Amazon.co.jp

今年は何かと話題になった日本のデザイン界ですが、間違いなく、現在のトップランナであるnendo佐藤オオキさん

内容(実際の問題解決方法)もさるコトながら、それ以上に、自分にとっては、その「書きぶり」(職場内流行語)がよかったです。

こういう語り口・切り口で、自分の業界のコトを外のヒト達に紹介したい!と思わせてくれた一冊です。

4 『炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学』
炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書) | 夏井 睦 | 本-通販 | Amazon.co.jp

少し前から、盛んに「糖質制限」というコトバを聞くのですが、コレだったんですね。
去年は、年末に読んだ食べない人たちという本を読んで大変ショックを受けたのですが、今年はこの本を読んで影響を受けました。

で、一時期は、完全に控えようと思ってガンバっていたのですが、やはり、お米はおいしくて(最近、さらにおいしいお米もいただき……)、結局、食べ過ぎるまでに逆戻り……

5 『シンプルに考える』
Amazon.co.jp: シンプルに考える eBook: 森川 亮: 本

筆者はLINEの元社長。

「とにかくユーザのために」「まずはユーザを増やす」という考え方は、自分の仕事にとっても非常に参考になりました。

6 『できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか』
できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書) | ポール.J・シルヴィア, 高橋 さきの | 本 | Amazon.co.jp

文章を書こうという時に思いつく言い訳(時間がない、道具がない……)がことごとく論破されていて、むしろ、爽快です(笑)。

「とにかく、執筆スケジュールを決めて、それに従って書く」。

敬愛する森博嗣さんも全く同じことを言っています。

ただ、凡人には、言うはやすしなのですが……

7 『職業としての小説家』
職業としての小説家 (Switch library) | 村上春樹 | 本 | Amazon.co.jp

大好きな村上春樹さんの背景が分かるだけでも十分価値がありますが、その語り口(文章)は、やはり、酔っぱらいます。

そう、ボクにとって、この文章に「酔っぱらえる」というトコロが、村上さんの最大の魅力です(つまり、ストーリィはよく分かっていない)。

そして、またもや影響されやすいので、数年ぶりにランニングを再開しました(そして、早くも中断中……)。

8 『彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone?』
彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? (講談社タイガ) | 森 博嗣, 引地 渉 | 本 | Amazon.co.jp

今年出た森さんの小説では、もちろん、マインド・クァンチャもおもしろかったのですが(本当に、アレで終わるのでしょうか?)、この作品には、おもわず引き込まれました。

ボクが好きなタイプの未来モノ。

で、やっぱり、思った通り、あのヒトが出てくるという……(笑)

9 『「ない仕事」の作り方』
「ない仕事」の作り方 | みうら じゅん | 本 | Amazon.co.jp

衝撃の一冊。

「とんまつり」「見仏記」はもちろん、あの「ゆるキャラ」ですら、最初は関係者(奥村チヨさんに至ってはご本人から)にお叱りをちょうだいしていながら、最終的には世に認められ、ご本人達から感謝されるというのは、結局、一見、バカにしているように見えながら、その根底に「とにかく好きだ!」という、強い思いや愛情が溢れているから。

仕事術というよりは、自分は一体、そこまで好きなモノがあるか?好きでい続けられるモノがあるか?と突きつけられた1冊です。

10 『アウトラインから書く小説再入門 なぜ、自由に書いたら行き詰まるのか?』
アウトラインから書く小説再入門 なぜ、自由に書いたら行き詰まるのか? | K.M. ワイランド, シカ・マッケンジー | 本 | Amazon.co.jp
アウトラインから書く小説再入門 なぜ、自由に書いたら行き詰まるのか? ...

あこがれの森さんが、この本でいうトコロの、典型的な「パンツァー」(全くプロット等考えず、いきなり書き始めるヒト)なので、どうも、アウトラインを書くというのに抵抗(?)があったのですが、結局自分の場合、それでは何も進まなかったので(笑)、もしかして、こうすればなんとかなるのかもと思えた1冊。

ただ、恐ろしいのは、この本に従って、これだけ苦労してアウトラインを完成させても、肝心の小説自体は一行も書けていないという……


以上、何かの参考になったでしょうか?

少し前に、本棚の10冊で自分を表現するというのがハヤリましたが、自分では気づかないボクの性癖のようなモノが分かりましたでしょうか?(笑)

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