2015年12月10日木曜日

「司書の書誌」第2回 司書の私書

前回と同様、「図書館に勤めている」と言うとよく言われるコトとして、「ヒマな時に本が読めていいね」というモノがあります。

う~む……
ヒマな時に本が読めるのは、特に図書館に限ったコトではないと思うのですが……

それはともかく(笑)、確かに職場には本が溢れているので、言いたいコトは分かるような気がしますが、ただ、この言説に図書館員がなんとなく反発を感じるのは、おそらく、発言が、「本が読めていいね」より「ヒマ(そう)」に重点を置いているように思えるからではないでしょうか。

「ヒマちゃうわ!確かに、カウンタではピッピしてるだけに見えるかもしれんけど、実は、こんな仕事もこんな仕事もこんな仕事もあって……」

と、思わず言いたくなりますが、そんなコトを言っても、実際のトコロはなかなか理解してもらえません。

なにせ、誰でも自分が一番忙しいと思っているので(笑)。

ただ、ボクは全く別の方向から、この言説に疑問があります。

というのは、職場の事務室で周りを見ていると、みなさん、ヒマな時……なんてないので(笑)、正規の休憩時間(昼休み等)に、仕事以外の個人的な本を読んでいるように見える職員さんが、ほとんどいないのです。
自分を含めて、片手で足りるくらいというか……

もちろん、休憩時間は英気を養うためにしっかり休むべきですし、その時間くらい目を使うコトから離れたいというのは分かります。

ただ、みなさん、パソコンやスマホは見ているのです。
それで、電子書籍を見ているという可能性は、もちろんありますが(笑)。

一般的に、図書館員てどんなイメージを持たれているか分かりませんが、なんとなく、子供の頃から何より本を読むのが大好きなヒトが、勢い余ってなってしまう職業のように捉えられていると思います。

確かに、今の図書館は、コンピュータやWebに強いヒトが求められている部分もあるので、ハナから、「私、"機械"は苦手で……」というヒトも困りますが、ただ、その代わりに、とにかく本が好きで、本の世界には圧倒的に詳しいというなら、それはそれでスゴくよいと個人的には思います。

特にこれからは、むしろ、そういうヒトの方が求められているような気がするのですが……

まぁ、みなさん、そんなにガッツかなくても、お家に帰ってから、ゆっくり読書をされているんでしょうね。
そうでしょう、きっとそうでしょう(笑)。

「ヒマな時に本が読めていいね」

と言われた時、

「ヒマな時だけじゃなく、忙しい時ですら、いや、忙しい時だからこそ本を読むのが図書館員なのです!」

……と、言いたいモノです(自戒)。

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