昔、「池中玄太80キロ」(その後、83キロも)というドラマがあった。
何かヒトの目を引く、つまり、珍しいからそれがタイトルになったと思うのだが、いまや、80キロの男性というのは、それほど珍しくない。
なので、「刑事110キロ」となる訳である。
それはともかく、そのように、珍しさで耳目を引くためか、もしくは、柴田トヨさんの『百歳』のヒットからか、どうも、朝の書架整理の際に棚を見ているだけで、いろいろ高齢をタイトルに冠した本が目につく。
といっても、少し前なら訴求力があったのかもしれないが、今や、『“48歳、彼氏ナシ”私でも嫁に行けた!』(衿野 未矢/著)や、『おばさん四十八歳小説家になりました』(植松 三十里/著)なんて、全然、珍しくない。
そう、まさに、『五十になるって、あんがい、ふつう。』(岸本 葉子/著)なのである。
なので、今ならいっそ、『86歳ブロガーの毎日がハッピー毎日が宝物』(繁野 美和/著)くらいに行かないといけないのかもしれないが、それでも、さらに、『91歳育ちざかり』(清川 妙/著)といわれ、ややもすると、『94歳。寄りかからず。前向きにおおらかに』『95歳。今日をたのしく。もっと前向きに』『96歳いまがいちばん幸せ』(以上、吉沢 久子/著)と、毎年のように所感を述べつつ、ついには、『あら、もう102歳』(金原 まさ子/著)と、"うっかり"100歳を超えてしまうのである。
その他にも、人間の寿命を扱った本や、アンチエイジング関係で年齢を盛り込んだタイトルの本はあるが、この系統だと、当館の所蔵では、昇地 三郎さんの『106歳のスキップ』、さらには、嘉納 愛子さんの『107歳生きるならきれいに生きよう!』 が最高齢(?)だろうか。
いずれにしても、まだまだ自分からすると、遠い先のようにも思うが、それでも、現在、存命中の世界最高齢者は、日本の大川ミサヲさんの116歳だし、そもそも、『平均寿命105歳の世界がやってくる』らしいので、ここに挙げた本ですら、そのうち、「あんがい、ふつう。」もしくは、「あら、もう」と言われる世の中になるのだろう。
そうなった時に、ちゃんと本が読めるのかが重要だけど。
※なお、年齢の表記には、同じ歳でも「百十歳」「110歳」等いろいろあるので、図書館で探すならヨミがいいと思いますが、図書館では、(なぜか)「じゅっさい」を「じっさい」と入力している(例えば、「ひゃくじゅっさい」なら「ひゃくじっさい」)ので、検索の際にはご注意ください。
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