2016年1月14日木曜日

「司書の書誌」第6回 司書の矜持

普段、あまり図書館に関心がない方でも、もしかしたら、武雄市図書館という名前を、ニュース等で見られたコトがあるかもしれません。

この図書館のリニューアルは、当時の武雄市長が代官山の蔦屋書店を見てひらめいた(?)というのは、業界では割と有名なハナシなのですが、その蔦屋書店が、なんと、我が職場の文字どおり眼と鼻の先にオープンしました。

NewImage

新しくなるロームシアター京都ブックカフェが入るというのは割と前から聞いていたのですが、そのうち、そこをCCCが請け負ったというハナシを聞き、最終的に、関西で2店舗目、京都では初の蔦屋書店というコトが分かりました。

で、さっそくのぞきに行ってきたのですが、単なる新刊の本屋さんというよりは、もう少しコンセプチュアルで、京都・日本の美術・文化が全面押しなのは予想がつきますが、入口近くにpenが大量に平積みされているのが象徴しているように、全体的に、アート暮らしデザインを中心とした、まぁ、なんというのでしょう、「意識高い系」( ← よく知らない)の品揃え。

また、店内は、(多分)ウワサの「ライフスタイル分類」で、武雄市図書館でも言われた、全く手の届かない場所にも本が展示されています(笑)。

1階部分は完全な本屋さん(と、スターバックス)なのですが、2階に上がり、レストラン(ここにも多くの本がディスプレィされています)をグルっと回って3階に上がると、図書館的なスペース(BOOK & ART GALLERIA)があります。

NewImage

ここに置かれている本も購入可能ではあるようなのですが、基本的には「閲覧用」というカバーがかけられ、この場所で読むコトが前提のようです。
写真のとおり、この場所だけでも、京都や美術に関した、かなり充実した蔵書があります。

NewImage

おそらく、スタバで買ったコーヒーを持ち込んでここの本を読むコトを前提としているテーブル席もあって、かなりよい感じなのですが、一方で、あまり知られていないかもしれませんが、このお店の正面にあるみやこめっせの地下には、美術やデザインの図書に特化した日図デザイン博物館があります。
ちょっと、もったいないというか、なんというか……

以前から、「図書館にカフェはできないのか?」という声は各方面から聞いていたのですが、実際、近くにブックカフェができるというハナシが出ると、今度は、「図書館は大丈夫か?」という声も聞こえてきました。

ジタバタするな、と(笑)。

ボクと同じ世代の男子なら、誰でも知っている有名な軍人のコトバに、

「あんなの飾りです。偉い人にはそれが分からんのですよ」

というのがありますが(笑)、図書館と本屋さんが全く違う存在だというのは、利用者の方がよくご存知です。

ただ、図書館が好きなヒトは、大抵、本屋さんも好きですが、その逆は、必ずしもそうではないのかな?とも思います。

近くにせっかくこんな素敵な場所ができたので、蔦屋書店を目当てで来られたヒト達にも、図書館をどうやって知ってもらい、また、使い分けてもらうか。

CCCの増田社長が目指すのが、本当に「顧客価値の増大」であるならば、顧客・利用者の立場に立って、岡崎に来ていただいたヒト達にもっと満足してもらうよう、反目するのではなく(誰もしてない(笑))、お互いにいいトコロをとりあう等、もっとこの界隈全体でのトータルなプロデュースも必要なんじゃないかなと思った次第です。

0 件のコメント:

コメントを投稿