2016年1月29日金曜日

「司書の書誌」第8回 司書のシステム

たいてい5年くらいだと思いますが、だいたいどの図書館も「システム更新」「リプレイス」といったりもします)を行います。

「システム更新」とは、図書館で使われるコンピュータ等のハードウェアは基本的にリースなので、その期間の終了に伴い、それまで使っていたハードを新しいモノと交換し、併せて、その上で動いているソフトウェアも、入れ替えたりバージョンアップしたりするコトです。

その結果、その間のコンピュータ関係の進化を受け、処理スピードが上がったり、データの容量が増えたり、機能が増えたりします。

もちろん、それはそれで喜ばしいコトですが、ただ、よい面ばかりでははありません。

システムが入れ替わり、使い方が変わって覚えるコトが多いのは、中の職員は自分たちの都合なので仕方ないですが、利用者にとっては、(もちろん、予告するにせよ)ある日突然、使い慣れた蔵書検索の画面や、ホームページからのサービス画面が、(時に全く)違うモノに変わります。

というのも、行政の場合、こういう大きい案件は基本的に入札なので、それまでと同じ会社の同じシステムにならず、常に、全く違う企業になる可能性はあります(また、それまで契約していた会社が、なんらかの不祥事で、引き続き契約できなくなる場合もあるでしょう)。

そのようなコトもあり、とかく、「ベンダーロック」とか「ベンダーロックイン」と言われるような、システム(会社)を変更したくてもできなくなる事態になりがちなのですが、それでは、同じ企業のシステムに移行できればひと安心かというと、必ずしもそうでもありません。

たとえば、図書館でもホームページを通じたWeb系のサービスを使う場合、ほとんどがIDとパスワードによる認証ですが、そのパスワードはシステム内部で暗号化され、職員はもちろん、それを開発したシステム会社のヒトでも分からないようになっています。

もちろん、 それはそれで安全なのですが、暗号化されているがために、他社のシステムに移行する場合はもちろん、同じ会社の後継システムであっても、そのままパスワードが引き継げず、再度、設定しなおしていただくという事態が発生するも場合もあります。

一般的な商業サイトで、「システム更新するから、パスワードがクリアされます」なんて、聞いたコトがありません(流失したから変えてくれはありますが……)。

いずれにせよ、利用者は、特に決定的な不便を感じていなければ(潜在的には、常に不便と感じているかもしれませんが……)、多少使いづらくても、なにも、画面を一新してくれとか、ましてや、リセットして、入れ直したいなんて思っていないはずです。

結果的に利用者の益になるようにしているコトでも、基本的には、全て、こちらの都合です。

ならば、多少でも不便をおかけしないためには、どうしたらよいのか?
例えば、インターフェイスは常に一緒にして、裏で動いているシステムだけを変えるコトはできないのか……(多分、一般的なサイトは、こうなっているのでしょう)

とにかく、一時的かもしれないにせよ、利用者のみなさんに不便をおかけするコトは間違いなく、そうである以上、システム更新後は、確実に、それまで以上のモノを提供できなければなりません。

……と考えれば考える程、胃が痛くなります……(汗)

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