で、この素敵な本屋さんを見るにつけ、あらためて、図書館と本屋さんの違いを考えています。
言うまでもなく、図書館と本屋さんでは、根本的に機能が違いますが(一口には言えませんが、個人的には、"ストック"と"フロー"で捉えています)、ここではそういったコトではなく、もっと見た目というか、インターフェイスについてです。
まず、感じるのが、本屋さんは同じ本を何(十)冊も並べて、ディスプレィできるというコト。
かねてから、図書館の複本問題はたびたび話題になりますが、それでも特殊な場合をのぞき、大抵同じ本は1冊しか所蔵しません。
また、もし、複本があったとしても、そういった本は人気があるため、館内でいっぺんに並ぶというコトは、基本的にありません。
しかし、蔦屋書店に行くと、京都を扱った同じ雑誌が、どど〜ん!と平積みされています。
これは、やはり、インパクトが大きいですし、こういった見せ方は、図書館ではなかなかできません。
あと、あたりまえ過ぎて見落とされがちかもしれませんが、本がキレイであるというコト。
古本にこそ耽溺される方はたくさんいらっしゃるので一概には言えませんが、それでも、やはり、大抵の方は新しくてキレイな本のほうが好きだと思います。
(少なくとも、ボクは平積みの下の下から本を選びます(笑))
一方、図書館の本は、多くのヒトに使われているために(というか、使われない方が問題)、どうしても、汚れや痛みが(モノによってはヒドく)あります。
あたりまえといえばあたりまえですが、意外と、この点は、見た目、というか、施設の質感上の大きな違いだと思います。
あと、本屋さんの場合、完全にはある本の場所が決まっていないというコト。
図書館の場合、いつきても、ちゃんと求めている本の場所が分かり、スグに取り出せるのが基本的な機能なので、非常に厳密に、同じ場所に同じ本がありますが(そうでない場合もあって、すいません……)、本来はいいはずのこの点によって、軽い気持ちで書架から取り出しにくかったり、職員側も、一時的な展示や見た目の関係で本をスッと動かすことができません(データやラベルの修正が必要になる)。
その点、本屋さんの場合、実際に働いたコトはないので断言はできませんし、管理上、ある程度の場所は決まっているはずですが、それでも、おそらく、図書館ほど、「この本の隣は、必ず、この本」というトコロまで厳密には決まっていないような気がします。
そのため、お客さんの反応によってスグに配置を変えられる柔軟性や、さらなるディスプレィ上の工夫の余地が生まれやすいような気がします。
あと、今回、蔦屋書店に行って感じたのは、その高級感。
レジは、本屋さんというよりは、ホテルのフロントのような雰囲気で、コ、コンシュ、コン……コンチェルン……コンシェルジュ?(言えてない)の方がいらっしゃいます。
そして、受け答えひとつとっても、非常に丁重に扱ってもらっているような気になります。
これは、本屋さんに限りませんし、図書館でもみなさんそうされていると思いますが、利用者やお客さんをとても大切に扱い、相手に、
「あなたは、とても重要で大事な存在だ」
と感じさせるのが、サービス業・接客業の要諦のような気がします。
それは、スタッフの接客だけでなく、お店のデザインや雰囲気全体にも言えるような気がします。
とにかく、動物園にもとても素敵な図書館ができましたし、この界隈の本事情がにわかに活性化してきました。
アイディアとヤル気次第で、なんか、とても楽しいコトができるような気がしています。
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